イスラム2.0.jpg「SNSが変えた1400年の宗教観」が副題。「日本人はイスラム教を危険だ、怖いと思っているが違う。イスラム教は平和な宗教なのだ」ということが通説となっている。しかし現実には、ヨーロッパなどで性犯罪や暴力、価値観の違いに由来する問題が多発している。「なぜ」との問いも「平和の宗教」という通説がその思考を遮断している。飯山さんは「2000年以降、ジハード主義が世界中で急速に拡大した背景にあるのはイスラム2.0であると考えている」「2000年初頭からIT、SNS、動画サイトが登場。一部の宗教エリートのものだった『コーラン』『ハディーズ』の知識が、容易に直接触れられるようになり、ここ10年ほどのイスラム教徒たちの行動を大きく変えた」「イスラム2.0時代は、一般信徒が徐々に啓示に忠実な『真に正しい』信仰に覚醒し、原理主義化していく時代。多くのイスラム教徒が近代的価値観に違和感を持ち、異議を唱え、よりイスラム的な価値の実現を求める時代だ」という。

そして、「ヨーロッパのイスラム化とリベラル・ジハード(移民人口が急増、定住すれども同化せず、ポピュリズム政党は極右?、教育現場でも激しい対立)」「インドネシアにみるイスラム教への『覚醒』(世俗法よりもイスラム法、州知事が冒瀆罪で実刑判決、宗教マイノリティへの寛容度低下)」「イスラム・ポピュリズム(ジョコウィ大統領の選挙戦略、反LGBTが活発化、男と女と夫婦)」「イスラム教の『宗教改革』(エジプトの状況、コプト教徒への迫害と融和策、女性と子供)」など、ヨーロッパ、インドネシア、エジプト等の問題の複雑さ、困難さが述べられる。

最終章「イスラム教徒と共生するために」で、対立・衝突を避けて「どうにか共生を成立させること」「多様性社会への粘り強い知的営為」の努力を求めている。

プロフィール

太田あきひろ

太田あきひろ(昭宏)
昭和20年10月6日、愛知県生まれ。京都大学大学院修士課程修了、元国会担当政治記者、京大時代は相撲部主将。

93年に衆議院議員当選以来、衆議院予算委・商工委・建設委・議院運営委の各理事、教育改革国民会議オブザーバー等を歴任。前公明党代表、前党全国議員団会議議長、元国土交通大臣、元水循環政策担当大臣。

現在、党常任顧問。

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