感染症対人類の世界史  池上彰・増田ユリヤ著  ポプラ新書.jpg新型コロナウイルス感染症が世界を覆っている。しかし、人類の世界史を見ると、感染症との戦いの歴史であったことがわかる。戦乱の歴史に見えてもその裏では、感染症の蔓延が戦争終結をもたらしたことも明らかだ。日本においても、感染症や地震・風水害・大火災などで歴史が動いたことはいくつもある。感染症の発生は、「家畜との共生や動物との接触などから始まる」「自然破壊は感染症を掘り起こし」「コロンブス交換など、グローバル化は感染症の拡大となった」等々・・・・・・。人類は今、文明の進展が逆襲され、「人類と文明」を根本的に問いかけられているといえるのだ。池上・増田両氏が「感染症対人類の世界史」を語る緊急出版。

「シルクロードが運んだ病原菌(昔も今も)」「アテネがスパルタに負けたペロポネソス戦争(BC431年~404年)でアテネに疫病が蔓延し、指導者ペリクレスも疫病で死亡」「スペインがアステカ王国、インカ帝国を破ったのは天然痘が原因(ピサロの軍勢はわずか200人足らずだった)」「コロンブス交換で米大陸に天然痘などの感染症、馬・牛・羊などが持ち込まれ、梅毒は中米から欧州へ」「東ローマ帝国の衰退をもたらしたペスト」「"ロミオとジュリエット"の悲劇の陰にペストが」「ペスト流行まで教会の権威は絶大だった(宗教の力が及ばないと権威失墜からルネサンス)(活版印刷も始まり、宗教改革)」・・・・・・。世界を震撼させたペストは14世紀、17世紀、19世紀の三波に及んだ。

日本では、「天平の大疫病、聖武天皇は大仏を建立する(天然痘といわれる)」「聖武天皇は大仏や全国に国分寺等を造ったが、復興経済のため墾田永年私財法などをつくる」・・・・・・。

「第一次世界大戦の終結を早めたスペイン風邪」「スペイン風邪は1918年の第一波、第二波、1919年の第三波。第二波が致死率も高かった」「世界人口の25~30%、死亡者数は全世界で4000万人。日本では230万人の患者と約38万人の死者(45万人の説も)」・・・・・・。

コッホ、パスツール、ナイチンゲール、北里柴三郎、野口英世ら、人類の反撃もあり、現在に至るが、「感染症のリスクは高まっている」と真剣に警告する。

プロフィール

太田あきひろ

太田あきひろ(昭宏)
昭和20年10月6日、愛知県生まれ。京都大学大学院修士課程修了、元国会担当政治記者、京大時代は相撲部主将。

93年に衆議院議員当選以来、衆議院予算委・商工委・建設委・議院運営委の各理事、教育改革国民会議オブザーバー等を歴任。前公明党代表、前党全国議員団会議議長、元国土交通大臣、元水循環政策担当大臣。

現在、党常任顧問。

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