大分断.jpg「マクロン大統領は当初期待された"民主主義の体現者"ではない。マクロンが民主主義を壊す。フランスはアメリカやイギリスなどの国々と同じくエリートと大衆の分断に直面している。それには高等教育の発展が密接に関わっている」「ドイツは東欧の安い労働力で生産した製品を、ドイツを経由して他国へ輸出する"ドイツ帝国"ともいうべき経済システムをつくり上げた。緊縮財政と予算収縮の政策で、ギリシャ、イタリア、スペイン、ポルトガルの経済を破壊した。ユーロ圏内では、ベルリンからの指令、つまりドイツの意向に従うしかなくなった」「教育が社会を階級化し、分断を進めている。高等教育が無能なエリートたちを生み出し、教育は支配階級を再生産するためのものとなった。その高等教育を受けた一部の特権階級が、自由貿易を社会に押し付け、教育の階層化が進み、高等教育を受けた若者も自由貿易によって苦しむようになった。マクロンの権力側に対して、"黄色いベスト運動"、エリート対大衆の闘争が始まった?」――。発言はかなり激しい。それは、フランス生まれで歴史家、文化人類学者、家族構造に関して詳しい人口学者という独特の立場から発するものだろう。

「社会階級闘争は教育階級の闘争に取って代わった。ブレグジット賛成派、フランスの極右政党である国民連合、トランプに票を投じる有権者たちは社会の下層部にいる人々だ。自由貿易を賞讃する経済学者が跡を絶たないにもかかわらず、人々は保護主義に票を投じた」「ブレグジットはポピュリズムではない。民衆の決断をエリートが汲み取る。これこそが民主主義が機能している証拠だ。ポピュリズムとは大衆がエリートを失った状態」「疲弊した大衆は保護主義を支持した」「グローバリゼーションというのは、モノと資本の自由な流通という点に限る。グローバリゼーションは終わるが"世界化"は終わらない」「保護主義は本来、民主的な仕組み」「国内の分断と民主主義の崩壊が同時に起きている」「保護主義とは国家による規制の一種。自国の内部を自由化しながらも外部に対しては自国を保護するという手法は矛盾しない」・・・・・・。

民主主義、グローバリゼーション、移民、格差、その根底の教育と揺れる各国・・・・・・。大胆に発言をしている。

プロフィール

太田あきひろ

太田あきひろ(昭宏)
昭和20年10月6日、愛知県生まれ。京都大学大学院修士課程修了、元国会担当政治記者、京大時代は相撲部主将。

93年に衆議院議員当選以来、衆議院予算委・商工委・建設委・議院運営委の各理事、教育改革国民会議オブザーバー等を歴任。前公明党代表、前党全国議員団会議議長、元国土交通大臣、元水循環政策担当大臣。

現在、党常任顧問。

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