51KVqIUlmwS._SX310_BO1,204,203,200_.jpg重要なことは、「戦略的に縮む」ということ。"漫然と"ではない。"戦略的"にということだが、今の喫緊の課題でもある。人口減少・少子高齢社会は急速度にやってきている。日本は輸出入立国ではなく、国内需要で成り立ってきたが、それが人口減少・少子高齢社会で急減する。「コロナが収束すればV字回復」などない。アフターコロナの時代はより縮小していくマーケットしかないのだ。しかも既に一人当たりGDPをはじめ、日本の低落は続いているうえに、"デジタル敗戦"が眼前にある。コロナ禍で、河合さんの話題を呼んだ「未来の年表」が前倒しになることを意識しよう。主張はきわめて明確だ。

本書は「未来の年表」の「戦略的に縮む」考え方の具体策を紹介する実践書だ。本文だけでなく巻末の諸データ「平成の30年間で日本はこう変わった」に危機感が増す。「もはや日本は先進国ではない」「出生数も婚姻数も減った」「紙おむつの生産は赤ちゃん用より大人用が伸びている」「非正規雇用という賃金の上がらない被害者」「2042年には高齢者人口が4000万人で多くは一人暮らし」「薄利多売はもうやめて、高付加価値ビジネスに転換しよう」「技術を生かして事業転換した富士フィルム、オリンパス、多機能断熱ボックスを作った大日本印刷、鯖江市の医療機器への転換、倉敷のジーンズ」「自社だけで変われないならM&Aや他社連携」「DXを正しく理解し活用しよう」「高齢者向けの新商品を開発して海外に売ろう」・・・・・・。

「大企業でも副業OKの時代、みずほの週休3日制」「コロナ禍で減った残業代は戻らない。社員の選別が激化する」「テレワークが広がり、人事評価が変わる」「24時間営業の"便利すぎる"時代はない。ロイヤルホストも戦略的に縮んだ」「老後の暮らしも戦略的に縮むように。住む街を通勤の利便性で選んではいけない」「マンション住民は"住み替え派"から"永住派"に逆転」「大規模修繕のリスクを考えよう。タワマンは超危険」「集住しないと行政サービスは成り立たない」「自分と家族の"人生の未来年表"を作ってみよう」「70歳まで収入を得られるようにしよう」「50代で自分の資産・人脈・スキルの棚卸しを」「生活スタイルの断捨離を」「最大の難関は、子育てと親の介護が重なる"ダブルケア"」・・・・・・。

副題は「縮小ニッポンで勝つための30ヵ条」だ。

プロフィール

太田あきひろ

太田あきひろ(昭宏)
昭和20年10月6日、愛知県生まれ。京都大学大学院修士課程修了、元国会担当政治記者、京大時代は相撲部主将。

93年に衆議院議員当選以来、衆議院予算委・商工委・建設委・議院運営委の各理事、教育改革国民会議オブザーバー等を歴任。前公明党代表、前党全国議員団会議議長、元国土交通大臣、元水循環政策担当大臣。

現在、党常任顧問。

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