nihonjinga.jpg「中国東北部の建築遺構を訪ねて」が副題。満洲国は、13年半ほどしか存在しなかった「国」だが、日露戦争、ポーツマス条約以降を考えれば、日本が約40年、「満洲は日本の生命線」というように投入した熱量はきわめて大きい。多くの歴史書や小説を読んできたが、本書は船尾修氏が、旅順、奉天(瀋陽)、新京(長春)、大連、ハルビン、安東(丹東)などを回り、建築遺構を訪ねて文を書く、写真紀行だ。きわめて面白く、「満洲とは何であったか」が浮き彫りにされる。しかも満洲全域にわたって俯瞰的に時代を見るがゆえに、きわめて有益であった。

 満洲事変の舞台となった奉天、原野の首都建設計画の新京、満鉄の存在と役割、皇帝・溥儀が信じた偽りの復辟、ハルビンの悪魔の誘惑と731部隊、ロシア系ユダヤ人の受難、炭鉱の都・撫順・・・・・・。地図と事件が結びついてきた。

プロフィール

太田あきひろ

太田あきひろ(昭宏)
昭和20年10月6日、愛知県生まれ。京都大学大学院修士課程修了、元国会担当政治記者、京大時代は相撲部主将。

93年に衆議院議員当選以来、衆議院予算委・商工委・建設委・議院運営委の各理事、教育改革国民会議オブザーバー等を歴任。前公明党代表、前党全国議員団会議議長、元国土交通大臣、元水循環政策担当大臣。

現在、党常任顧問。

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