思い切なれば必ず遂ぐるなり.jpg政治家が書いた自叙伝や政策・ビジョンは読書録にのせていない。しかしこの野呂田先生の本は、まさに野呂田先生の日頃からの薀蓄がそのまま出ている見識の本だ。
私は、野呂田先生が演説の時、短い挨拶の時、仲人の時、少人数での懇談など、いろいろな場面に接して、スキのない、キチッとした深さと温かさと意思をもった話に感服してきた。


2万冊を読むなどということは、常人にはできるものではない。しかも、メモまでとって。激しい政治活動をし、しかも国会議員でNo.1の世界各国を回った人で知己も多い。
ここに描かれているのは、野呂田先生の数十分の1、氷山の一角にすぎないがゆえに、さわやかだ。


官僚政治から国民による政党政治へ.jpg官僚制を歴史的にたどり、現在のいわゆる"官僚政治"の弊害を浮き彫りにしている。
しかし、私が感じたのは、そうしたことだけではなく、むしろ政治を行う者の人格と志、その中核にあるグーテンホーフ・カレルギーの哲学だ。パン・ヨーロッパ運動の提唱者であるグーテンホーフ・カレルギーの「友愛」は鳩山兄弟に受け継がれるが、私自身、カレルギー伯が来日した時の講演を学生時代に直接聴いた。


カネがあることでは、尊敬されない日本。グーテンホーフ・カレルギーが「西欧と違って、清らかこそ美的価値であり、倫理的価値でもあるという日本人の特異性を、人類共通の価値にまで高めようとした」ことにふれ、「美的な生き方を尊重する文明こそが未来に希望をもたらす」とカレルギー・池田大作対談(「文明・東と西」聖教文庫)の言葉を明示する。
崇高な理想とその実現が、ますます求められている。


仕事文の書き方.jpg高橋さんと新年会の会場でお会いした。
静かで自然で、あたたかで、柔らかな人柄が、この本ににじみ出ている感じがした。
一文一義。短く、明快に、わかりやすく、読み手を疲れさせないように、そして説得力に磨きをかけようと、丁寧に示してくれている。本当にそうだ。心がけなければならないことがいっぱいあり、もっと磨きをかけなければと、恐ろしささえ感じた。 


すべては夜明け前から始まる.jpg「大韓民国CEO実用主義の大統領、李明博の心の軌跡」という副題がある。極貧の中で育ち、物ごいの隣に住み、ポンティギ売り、大判焼き売り、高校にも大学にも行けないほどの環境のなかでそれらを自らの五体に刻みつけながら挑戦し、乗り越えてきた、まさに踏み固めた不屈の人生がそこにある。その中には母親、そして父と兄、中学校の担任、現代グループの鄭周永元会長の存在がある。母の人生哲学と涙と闘争心。すごい人生の新大統領に期待したい。 


日本に国家戦略はあるのか .jpg戦略なき大国から戦略あるミドルパワーへ。国家のありようを考えよう、と訴えている。
こういう角度で、ちょうど50年前の国防の基本方針、冷戦中の1976年の防衛計画の大綱、冷戦後の95年の大綱、9・11テロ後の2004年大綱の背景と制約を、歴史を丁寧に探りつつ明らかにしており、きわめて意義深い。取材を重ねて描き出しているだけに臨場感があり、きわめてわかりやすい。
貴重な仕事に感謝したい。

プロフィール

太田あきひろ

太田あきひろ(昭宏)
昭和20年10月6日、愛知県生まれ。京都大学大学院修士課程修了、元国会担当政治記者、京大時代は相撲部主将。

93年に衆議院議員当選以来、衆議院予算委・商工委・建設委・議院運営委の各理事、教育改革国民会議オブザーバー等を歴任、公明党前代表。前国土交通大臣、前水循環担当大臣。

現在、衆議院議員、党全国議員団会議議長、東京第12総支部長、首都直下地震対策本部総合本部長、現代中国研究会顧問など。

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