
しかし、私が感じたのは、そうしたことだけではなく、むしろ政治を行う者の人格と志、その中核にあるグーテンホーフ・カレルギーの哲学だ。パン・ヨーロッパ運動の提唱者であるグーテンホーフ・カレルギーの「友愛」は鳩山兄弟に受け継がれるが、私自身、カレルギー伯が来日した時の講演を学生時代に直接聴いた。
カネがあることでは、尊敬されない日本。グーテンホーフ・カレルギーが「西欧と違って、清らかこそ美的価値であり、倫理的価値でもあるという日本人の特異性を、人類共通の価値にまで高めようとした」ことにふれ、「美的な生き方を尊重する文明こそが未来に希望をもたらす」とカレルギー・池田大作対談(「文明・東と西」聖教文庫)の言葉を明示する。
崇高な理想とその実現が、ますます求められている。