「日本の取り組みのフロンティアは世界の取り組みのフロンティアでもある」――日本再建イニシアティブの「日本再発見」プロジェクトを更に進め、21世紀日本の可能性と跳躍を追求する。世には学者・評論家の本は多いが、本書は激烈な社会の各界で活躍している現場のフロントランナーが11のプログラムを率直に語り、きわめて刺激的で面白い。
「日本のフロンティアは日本の中にある。しかし世界のフロンティアもまた日本の中にある」「ガラパゴス化をグローバル化し、また、世界の需要や文化をインバウンド化、つまり日本社会に内実化させてこそ、ガラパゴス化から普遍的な価値を引き出すこともできる。それによって、日本の個性と多様性を世界とともに発見し、その過程で日本が自ら再発見するガラパゴス・クールのダイナミックスも生まれるだろう」「これは(グローバル・シビリアンパワー2.0)は、従来の"グローバル・シビリアン・パワー"を下敷きにしつつ、国際社会の"自由で開かれた国際協調秩序"を維持、強化するため、より課題先取り型で、より積極的(プロアクティブ)で、かつより筋肉質の外交姿勢を志向し、世界の平和と安定のための国際的役割を探究し、国際的アイデンティティーを追求する戦略である」「そこでの日本の取り組みの特徴は、シビリアンパワー、開かれた海洋、自由主義、市民社会の独自性と活力、個々人の創意工夫と遊び心、スモール・イズ・ビューティフル、"自然体のまこと(真・誠)"、そして何よりも個性と多様性といった特質によって陣取られることになるだろう」などという。
芸術・文化、デザイン、ライフスタイル、医療、科学、イノベーション、外交など各界のフロントランナーの発言・提言は、激しい競争の中にいるだけに鋭く、現実の行動を促している。