
「幸せは長く、演説は短く」「サルは木から落ちてもサルだが、政治家は選挙に落ちたらただの人」「田圃と女房と選挙の票は、一度貸したら戻ってこない」
「やはり野に置けレンゲ草」「天の声にも、たまには変な声がある」「政治家は次の時代を考え、政治屋は次の選挙を考える」「理屈は後から貨車で来る」「声なき声を聞け」「政界は欲望と嫉妬の海だ」「政策に上下なく、酒席に上下あり」・・・・・・。話したその人の心情が伝わるようだ。「いると邪魔、いないと寂しい記者と珍念」が太田昭宏提供として出ている。
田中角栄の「政治は冠婚葬祭だ」を冒頭におき、石橋湛山の「人が国家を形づくり国民として団結するのは、人類として個人として人間として生きるためである」を100言目のトリにしているのはいい。バラバラになりがちなこうした本だけに、その完成度の高さを示している。