
著者の樋口恵子さんには、感謝の気持ちがあふれている。"祖母力"なくしては自分たち親子の今はないといい切る。が反面、母親の余生を孫育てに食い潰させてしまったのではないかという思いから本書を執筆されたそうだ。
しかし調査を進める中で、祖母たちは、何よりも孫と接する喜びと家族の役に立つ喜びに満ちてること、また孫のほうが子どものときよりゆったりと育てられるとの声が圧倒的に多いことに気づかされる。この無限にして無償の献身的愛こそ祖母力であり、いまや働く女性にとっては大事な支えになっているのだ。
さらに樋口さんは、「社会的祖母力・祖父力」についても提案している。
「血縁の孫の有無にかかわらず高齢世代が社会参加し、何らかの貢献をし、世代間交流をすすめる必要性」「その祖母力の有無の『格差』是正のためにも発揮の場を地域づくり町づくりの核として発展させる」ことである。
わが家でも話をした。祖父母力のなかったわが家。しかも走り回っている私だったから、妻はどれほど大変だったことかと思う。