会社はだれのものか.JPG株主主権論は、企業と会社を混同した法理論上の誤り。会社とは法人化された企業。資本主義が産業資本主義からポスト産業資本主義へと大きく変質をとげた今、おカネの威力が増しているように思うかもしれないが、そうではなくて、おカネの力が弱くなってきていると岩井さんはいう。それは株主が会社の主権者でなくなってきたことでもあり、違い(差異性)から利益を生み出すヒトに重心が移ることになる。「知価社会(堺屋太一)」「脱工業化社会(ダニエル・ベル)」「第三の波(アルビン・トフラー)」だ。

日本的経営が育成してきた組織特殊的人的資産の役割(終身雇用制、年功序列制、会社内組合)は、産業資本主義対応型の熟練されたヒトであり、アメリカ型の株主主権論のヒトとともに、今求められているものではない。ライブドアとフジテレビ。会社とは何か。コーポレート・ガバナンス(企業統治ではなく会社統治)とは何か。会社とは社会のためにある。

糸井重里との対談が付けてあるが、資本主義、経済学の源流にさかのぼっての自然(じねん)に自在に、ていねいに、定義しながら哲学思考で進む理論は美しい。仏法の五重三段に美しさを感じたように。

プロフィール

太田あきひろ

太田あきひろ(昭宏)
昭和20年10月6日、愛知県生まれ。京都大学大学院修士課程修了、元国会担当政治記者、京大時代は相撲部主将。

93年に衆議院議員当選以来、衆議院予算委・商工委・建設委・議院運営委の各理事、教育改革国民会議オブザーバー等を歴任。前公明党代表、前党全国議員団会議議長、元国土交通大臣、元水循環政策担当大臣。

現在、党常任顧問。

太田あきひろホームページへ

カテゴリ一覧

最新記事一覧

月別アーカイブ

上へ