
「不安とは、おそれの対象がなにか、よくわからないときに起きる感情だ」「ニーチェは"見捨てられていることと、孤独とは別のことだ"というが、"孤独死"のほとんどは、孤独とは無関係の短時間の死。
むしろ孤独死か自分の理想の死と、東京監察医の小島原将直さんが講演している」など、ひとりの側、死にゆく側からものをながめ、智慧をはぐくむことを示している。
「後家楽を楽しむ」「"いっしょに暮らそう"は悪魔のささやき」「"ひとりでおさびしいでしょう"は大きなお世話」「家で暮らしたいと家族で暮らしたいは違う」「都会に住むか、地方で暮らすか」「いっしょにごはんを食べる相手はいる?」「老後とカネ、老にガネを生かす」「家族に頼らない・頼れない老後のためにできた介護保険」「ピン・ピン・コロリ主義や予防重視は、いかに介護を受ける状態を避けるか、規格はずれの異物を排除しようとする人間の品質管理思想」「介護される側の心得」など、母のことを思いながら読んだ。