「起きるかどうかではない。いつ起こるかだ」――感染症対策の専門家はそういう。「鳥インフルエンザウイルスH5N1」。すでにヒトの世界に入り込み始めて、2003年以降、世界14カ国で380人が感染し、240人が死亡。致死率はなんと60%だ。2006年4月24日、インドネシアのスマトラ島北部のクブシンブラン村で女性の死から恐るべき事件が起きる。走り回るWTOや医師、対策班。まさに時間との戦い、どう封じ込めるかの緊迫した闘いだ。もうそうしたことが始まっている。
(1)抗ウイルス薬(タミフル)の大量投与
(2)国民のワクチン接種(パンデミックワクチン、プレパンデミックワクチン)
(3)学校の閉鎖
(4)感染者の社会的な隔離や強制的な旅行制限――など、大事なのはまず(2)。
医療機関から金融機関に至るまでの緊急対応。そして大量であるがゆえの治療、命の優先順位。プレパンデミックワクチンの備蓄。米国で行われている大規模な実践的演習。
日本の戦略を早く進めなければならない。