リーマン・ブラザーズの破綻の時に、執筆中のもの。世界経済は激動、そして混沌。しかし、インフレ本格到来ではない。戦争のないところインフレなし、と長谷川さんはいう。しかも2009年は地球規模の公共事業は目白押し、重厚長大の産業部門では日本企業はその力を遺憾なく発揮しうる。
投機マネーは混乱をもたらすが、長く続くわけがない。サブプライム問題を総括し、米の対応力はしっかりしているという。
銀行は証券化と転売によってリスクをとらなくなっており、格付け機関は証券化商品があまりにも複雑化したために判断できず、いいかげんな評価が混乱と不安を招いたともいう。
円高時代に日本の企業は生産拠点を海外に移した。IMF体制は機能不安に陥り、資産も不足している。
中国の危うさを指摘しつつ、日本の未来を力強く語る。
アランの「悲観主義は感情のものであり、楽観主義は意思のものである」を想起した。