なにもかも小林秀雄に教わった.jpg思索頭脳というものがあるように私は思う。本を読み、哲学・思想にふれていると頭脳に幅と奥行きとうるおいが生まれてくる、そうした頭脳の状態だ。
木田元さんの「現象学」を読んだのは、これが1970年に出版されたわけだからもう30数年前のことになる。大学在学中か就職したばかりの頃だ。
ランボオ、ドストエフスキー、キルケゴール、そして、木田元さんの迫ったハイデガー、メルロ・ポンティ。近代理性主義の限界を見て、それらを読み、解き、思索する人々が世界に一気に出た。日本も。

木田さんは、読書の師匠は小林秀雄に限られなかったと「あのころは、文学のいい師匠さんが大勢いた」と淡々と語っているが、再びまた「その総元締のような感じだったのが小林秀雄であった」と語っている。小林秀雄の思索の強靭さ、深さは、私自身感じ入り、著作だけではわからないと、肉声のテープを手に入れて何度も聞いてきた。何ともいえない落ち着いた心を得たものだ。「モオツァルトのかなしさは疾走する。涙は追いつけない。涙の裡に玩弄するには美しすぎる」という言葉などは思索における華麗で切れ味ある匠の技だ。

しかし、それにしても木田元さんの哲学への踏み込みにもすごみがある。

プロフィール

太田あきひろ

太田あきひろ(昭宏)
昭和20年10月6日、愛知県生まれ。京都大学大学院修士課程修了、元国会担当政治記者、京大時代は相撲部主将。

93年に衆議院議員当選以来、衆議院予算委・商工委・建設委・議院運営委の各理事、教育改革国民会議オブザーバー等を歴任。前公明党代表、前党全国議員団会議議長、元国土交通大臣、元水循環政策担当大臣。

現在、党常任顧問。

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