国土学再考.jpg「公」と新・日本人論という副題がついている。「国土学事始め」に続く第2弾。
「城壁を必要とした国」と日本のように「城壁を全く必要としなかった国」とが、繰り返し、分析され、解説される。
どうしてこんなに経済も社会も世界に比して競争力を失い劣化しているのに、日本はあいまいな、不正確な、情緒的な論議しかできないのか。


国土への働きかけによって人類は今日の生存と生活を確保してきたのに、日本は公共事業悪玉論、道路やダムはムダといったひずんだ言論がまかり通るのか。どうして空港も港湾もハブが逃げているのに危機感をもたずにいられるのか。脆弱な国土である日本を治山、治水、耐震事業のなかで、まさに国土に働きかけることによって守ってきたのに、その営為がなぜ平然と無視されてしまうのか。
「文明の生態史観」「文明の環境史観」「泥の文明、砂の文明、石の文明」「縮み志向の日本人」「人生地理学」――今日まで私は多くの書と人に接し、日本と日本人と日本国土と文明と文化を考えてきたが、大石さんは、これらに真正面から正確に問いかけをしている。そして日本人の情緒主義・臨機主義・円満主義の思考癖を十分認識しつつ、新しさを尊び、喜ぶ文化、人間中心ではないエコロジカルな人間主義、他との共生など日本人のアイデンティティを世界に発信しようと訴える。同感である。

プロフィール

太田あきひろ

太田あきひろ(昭宏)
昭和20年10月6日、愛知県生まれ。京都大学大学院修士課程修了、元国会担当政治記者、京大時代は相撲部主将。

93年に衆議院議員当選以来、衆議院予算委・商工委・建設委・議院運営委の各理事、教育改革国民会議オブザーバー等を歴任。前公明党代表、前党全国議員団会議議長、元国土交通大臣、元水循環政策担当大臣。

現在、党常任顧問。

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