民主党政権がスタートしましたが、「景気・経済に関心がない」と思える程の姿勢に危機感を覚えます。
民主党の景気・経済への無関心さに「荒波のなかで、船の中の船室の部屋割りの検討ばかりしている」と評した人がいます。補正予算の一部凍結で2.5兆円とか、もっと削れということばかりやっていますが、100年に1度と言われる経済危機の非常事態は続いています。世界各国はこぞって、その克服に全力を挙げています。だから今年の4月2日に行われたG20(ロンドン)では、恐慌寸前との懸念があるとし、「財政出動等あらゆる行動をとる」ことを確認しました。

これに基づいた景気・経済対策として打ったのが、今年の第1次補正予算で、予算額15.4兆円。これで世界並み、そして日本が危機脱出の命綱としたのが、この第1次補正予算です。
9月24、25日のピッツバーグでのG20は、ロンドンサミット以降の進捗をレビューした上で、「強固で持続可能かつ均衡ある成長のための枠組み」で合意。

米国など経常収支の赤字国には「輸出部門強化、民間貯蓄増強、財政再建」などを要請し、日本、中国など黒字国には「内需・投資拡大、金融市場歪み是正」などを要請するという新段階への合意ができたわけです。
それなのに、なんと日本だけが補正予算の一部凍結、予算を削る――まさに逆噴射です。
これでは景気の腰折れ、税収不足をきたすことが予想され、どういう政策を採るか不安が充満しているがゆえに、企業は設備投資をやめ、企業マインドが落ちるという現象がすでに起きています。
 
生活を守る――その基盤は、この100年に1度の非常時の認識の上から景気・経済対策を世界の協調と合意に基づいて築き上げることです。難題の多い日本、しっかりした政策こそ重要です。

プロフィール

太田あきひろ

太田あきひろ(昭宏)
昭和20年10月6日、愛知県生まれ。京都大学大学院修士課程修了、元国会担当政治記者、京大時代は相撲部主将。

93年に衆議院議員当選以来、衆議院予算委・商工委・建設委・議院運営委の各理事、教育改革国民会議オブザーバー等を歴任。前公明党代表、前党全国議員団会議議長、元国土交通大臣、元水循環政策担当大臣。

現在、党常任顧問。

太田あきひろホームページへ

カテゴリ一覧

最新記事一覧

月別アーカイブ

上へ