
上杉謙信は評価しない。「直江兼続、小早川隆景、立花道雪、高橋紹運、豊臣秀長、福島丹波・・・・・・名参謀に共通するのは、主家に取ってかわろうとする野心を持たなかったこと。おのれの分を守り、補佐役に徹する」という。
「名参謀は無欲であることが必要、欲があれば主君に警戒される。あの黒田官兵衛・・・・・」「無欲であると同時に、主君に対してどういう思いを抱くか。忠誠心や尊敬心にかかわる問題です」「組織が生き残るために、参謀は身を挺して指令官を守らなければならない」「江戸時代を通じての最高の補佐役は保科正之」ともいう。
二人で戦国時代から明治維新まで、歴史に顔を出すあらゆる人を忌憚なく、ズバズバと批評しているのは心地よい程だが、「辛酸を嘗めた人間こそ、老後、どこかで活躍してほしかったなあ」という言葉がやけに残った。小松帯刀や小栗上野介など若くして死んでいった人への思いは深い。