「文藝春秋」に毎月、連載されたものをまとめたもの。歴史・哲学を踏まえ、しかも現場を見ての確立された視点からの塩野さんの発言は、カミソリというよりオノで真正面から叩ききる強さがある。
イラク戦争から本書は始まるが
「人間ならば誰にでも、現実のすべてが見えるわけではない。多くの人は、見たいと思う現実しか見ていない」(ユリウス・カエサル)
「危機打開に妙薬はない。ということは人は代えたとしても目ざましい効果は期待できないということである。やらねばならないことはわかっているのだから、当事者が誰になろうと、それをやりつづけるしかないのだ」(「継続は力なり」の項)
「ドイツの敗戦処理を見習えと言ってくるがあれも見習わない方がよい。・・・・・・戦前戦中の悪のすべてをヒットラーとナチにのみ転嫁したこのドイツのやり方は、ドイツ人自身の自己批判能力を衰えさせてしまった」(「負けたくなければ」の項)
――各篇に全てといっていい。考えさせられることが詰まっている。
太田あきひろです。
昨日(5日)夜、東京各地でゲリラ豪雨が発生、私は地元北区の災害現場に急行しました。
床上浸水で冷蔵庫まで濁流で倒されたり、また堀船地域では明治通りのガードレールの上まで冠水、ビル・マンションは浸水で大変な状況となりました。夜を通しての排水作業で今日を迎えたと思います。
板橋では100ミリを越える豪雨。ここ数日毎日の豪雨続きです。
各関係方面と連携をとり、対策に全力をあげます。
太田あきひろです。
最後の日曜日。埼玉を駆けています。
菅政権になっても民主党の迷走が続いています。
「ローマは一日にして成らず」と言いますが、そんなローマがなぜ"三世紀の危機"と呼ばれる未曾有の危機に遭遇したか。衰亡していったか。
塩野七生氏は、いま話題の著書『日本人へ リーダー篇』の中で「政策の継続性が失われた。政策の継続性の欠如こそが三世紀のローマ帝国にとって諸悪の根源であった」と指摘しています。
そしてこうも言います。
「危機の時代は、指導者が頻繁に変わる。首をすげ代えれば、危機も打開できるかと、人々は夢見るのであろうか。だがこれは、夢であって現実ではない」
「危機の打開に妙案はない。......やらねばならぬことはわかっているのだから、当事者が誰になろうと、それをやりつづけるしかないのだ。『やる』ことよりも『やりつづける』ことのほうが重要である」――。
今、日本の課題は何か。誰に聞いても、どんな世論調査でも明らかです。第1に景気・経済の回復、第2に年金・医療・介護などを充実させて生活不安を除去してほしい――ということ。やり続けるべきことはもう明らか。
それをブレなく主張し続け、やり続けている日本で唯一の政党、それが公明党です。
民主党は、3K問題と言われた「基地(普天間)」「政治とカネ」「景気・経済」をグチャグチャにし、隠し、間違いだらけの経済逆噴射政策をとりました。
しかも、頑張ってやり続けるどころか、逃げまくりの菅、"逃げ菅"といわれている。そして、争点そらし、争点隠しで、消費税10%アップを言い出し、「増税しても景気回復に寄与するものもある」などの世界の珍説、トリッキーな理論まで出して強弁。ところが批判をあびると、もう「公約ではない」「超党派の協議を呼び掛けただけ」と退却。ウソを並び立てている状態です。
全部、手をつけては投げ出し、結果を出さず、言い逃れに終始する。政権党には責任と結果が問われるのに、覚悟が感じられない。迷走政権だけが継続している。これではダメです。
先日も今頃になって年金制度の7原則を決める。この数年、あれほど批判しておいて、何も決めていなかったということが明らかになりました。ひどい話です。
公明党は、「やり続ける政治」「庶民の目線で政策実現の結果を出す政治」を貫く唯一の政党です。
例えば景気・経済――環境に力を入れ、エコポイント、エコカー、エコ住宅、命を守る人と環境にやさしい公共事業(学校の耐震化、太陽光発電、老朽化した公共施設の整備)、中小企業への支援強化(緊急保証制度、リスクマネーの供給、第二創業への支援)、先端技術開発への支援強化――これらはずっとやり続けてきたことです
まさに公明党は、
●中小企業対策をずっとやり続け、
●がん対策をずっとやり続け(基本法をつくり、そして昨年の女性のがん検診無料クーポンに至るまで)、
●児童手当をはじめ子育て支援をずっとやり続け、
●年金改革をずっと推進し続け、
●学校の耐震化をずっとやり続け、
●雇用対策(雇用調整助成金や訓練・生活支援給付金等)をやり続け、
●政治とカネの問題をずっとやり続け、
●沖縄の米軍基地の整理・縮小をずっとやり続け、
●文化芸術にずっと力を入れ続け、
挙げればキリがない。3000人のネットワークで今の日本の課題(1に景気・経済、2に年金・医療・介護と雇用)に120%狙い定めてやり続けている党は公明党です。
何もやり続けない、ウロウロ、キョロキョロの政権ではなく、庶民の生活、現場、中小企業、困っている人の側に立って頑張る公明党。全力で突き進む覚悟です。
リーマン・ショック前後の時期に専門家が分析している格差問題をまとめた本書。短い論考だけに角度がそれぞれあって、論点が整理されている。
所得格差、教育格差、地域間格差、若者世代内・老齢世代内の格差。そして、グローバリゼーションが世界の貧困を緩和するにしても、世界の国家間格差を是正するか否か、それも分析している。しかし、いずれにしても、先進国・途上国とも所得格差は拡大する(技術革新が単純労働の雇用機会を奪っているし、世界規模のアウトソーシングで先進国の賃金格差が拡大している)。
格差問題と貧困問題は別。ワーキングプアは、未熟練労働への需要減少(グローバリゼーションとIT)にもかなり起因する。
1990年代前半、地域格差は縮まった。バブルのはじけた都会と引き続き伸びた地方。そこの公共事業との関係。その後、高齢化の進展、企業規模間の賃金格差拡大、非正規社員の比率増加などが顕在化する。
若者への教育・訓練投資の重要性。「ゆとり」教育の失敗も「ゆるみ」「たるみ」になったというよりも、それを可能にするカネと人の資源不足、教育のインフラ(それを支える人とカネ)が崩壊しているという構造を見ない甘美な教育論。それがまかり通ってしまった。
このように、本書では専門家が次から次へと問題を提起している。