20110329-book.JPG  「自分と闘って負けない心」と副題にある。
 どう決断して1手を打つか。羽生さんは3つのことを駆使して対局にのぞんでいるという。1つは「直感」、そして「読み」、もう1つが「大局観」。
「直感」と「ひらめき」は違う。「直感」は、蓄積のなかから経験則によって選択するもの。つまり研鑽を積んだもののみにある。「読み」は、ロジカルに考えて判断を積み上げ、戦略を見つける作業。
「大 局観」は、具体的手順を考えるのではない、パッとその局面を見て、今の状況はどうか、どうすべきか、攻めるか守るか、長期戦の勝負に出るか、そうしたもの の判断だという。経験を積むことによって磨かれ、その人の本質的な性格や考え方自体が反映する。棋士にとって「読む力」は若いときが上だが、年齢を重ね、 経験をへて「大局観」を身につけ、逆にいかに「読まないか」の心境になるという。面白い言い方だし、よくわかる。
  リスクをとらないと棋士の成長は止まる。「今日勝つ確率が最も高い戦法は、3年もたてば完全に時代遅れになる」ともいうが、そんなスピードで将棋の世界が 進んでいくものかと驚く。とぎすまされた、研鑽の持続――勝負の極意を開示してくれるが、将棋を越えた深い人間学の世界だ。

プロフィール

太田あきひろ

太田あきひろ(昭宏)
昭和20年10月6日、愛知県生まれ。京都大学大学院修士課程修了、元国会担当政治記者、京大時代は相撲部主将。

93年に衆議院議員当選以来、衆議院予算委・商工委・建設委・議院運営委の各理事、教育改革国民会議オブザーバー等を歴任。前公明党代表、前党全国議員団会議議長、元国土交通大臣、元水循環政策担当大臣。

現在、党常任顧問。

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