20110621-book.png六つの短編(六章)それぞれ別だが、人物や心象はつながっている。子ども、兄妹、姉弟、親子、昆虫、草花、夕暮れ、光、悲哀、沈潜する思い 出......。第一章から徐々に旋律が高まり、「冬の蝶」「春の蝶」でヤマを迎えるような感がする。息苦しいほどに心に迫ってくる小説だが、最終第六章 「遠い光」で、解き放たれて安堵する。運命に翻弄されながら「風が吹くのを待つ"風媒花"」のような心に影をもつ人々が、ちょっとしたことで前へ進む小さ な光を見出す。「この全六章を書けただけでも、僕は作家になってよかったと思います」と道尾さんは語っているが、そうだろうなと思う。優しさが広がる作品 だ。

プロフィール

太田あきひろ

太田あきひろ(昭宏)
昭和20年10月6日、愛知県生まれ。京都大学大学院修士課程修了、元国会担当政治記者、京大時代は相撲部主将。

93年に衆議院議員当選以来、衆議院予算委・商工委・建設委・議院運営委の各理事、教育改革国民会議オブザーバー等を歴任。前公明党代表、前党全国議員団会議議長、元国土交通大臣、元水循環政策担当大臣。

現在、党常任顧問。

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