8つの短篇。人と人の出会いとそこに沈潜する誠実な心。人は淡い交りのようであっても、それを大事に温めて生きていく。静寂、寡黙、五十鈴川の流れ、人の交り。原爆の後遺症を背負い、独身を通す岸部の死。五十鈴川の鴨の家族に「いいなあ」としみじみつぶやいた岸部。
日常の淡い生活のなかでの、押えがちな情愛が8篇からしっかり伝わってくる。人生、「心こそ大切なれ」。
「沖
縄はごまかしとゆすりの名人」と言ったとして更迭された米国務省日本部長のケビン・メア氏。その発言の真相そのものは本書に書かれているが、それ以上に日
本人の考えと、米国人の考えとの思考回路の異なりが描かれる。それが常に表面化し、ケビン・メア氏はいら立ち、幾度か衝突する。
日 米同盟、日米安全保障についての米国の率直な考えは、先のジョセフ・ナイとリチャード・アーミテージ対談(文春新書)と同様。難問が山積しているのに、危 機に直面しているのに、決断できない日本、優柔不断の日本、希望的観測に頼る日本、先送りする日本――そうした責任を取らず、自己保身を図る日本の政治と 政治家からの脱却をと警告する。
太田あきひろです。
昨日(24日)、福島県南相馬市のチアリーディングチームの子どもたちが避難先の各地より北区を訪問。今日、第6回北区アクアスロン大会が地域や区外の子どもから大人までが参加し、盛大に開催され、そのなかで南相馬の子どもたちも応援のチアリーディングを行なってくれました。昨日は興奮して眠れなかったようですが、元気な声援をおくってくれました。
水泳とランニングを続けて行う競技スポーツがアクアスロンですが、北区と南相馬市の子どもたちの元気な交流もできました。
この3連休も各地域で「頑張れ日本!」「頑張れ東北!」と銘打っての行事が多く行なわれており、その心に感謝致します。
「マッカーサーの財宝、200兆円を隠匿せよ」――1945年8月10日、阿南陸軍大臣、杉山元帥、梅津参謀総長ら5人に託された真柴大佐と小泉中尉と運転手役の曹長の3人。弾薬工場に運ぶ役を担った13歳の女生徒35人。8.15を境に、マッカーサー、日本国憲法制定にかかわったあのホイットニー、日系の通訳イガラシ中尉がそれにからむ。緊迫した生死をかけた極限の世界を描いた浅田次郎20年前の迫真の作品。エネルギーが伝わってくる。
日輪の遺産は財宝ではない。日本という国に蓄積された底力、日本人一人ひとりに備わる意志とエネルギー、世界にない勤勉で、勇敢で、優秀な民族の底力を、マッカーサーに語らせ、34人の女生徒の死で表わし、小泉の有能や真柴の責任と決定心で示している。諸現象の表裏、戦いの勝敗を越えて国家の興亡の核心は、そうした背骨がありやなしや、責任と勇気がありやなしやではないのか。浅田次郎の源流を見る思いだ。
太田あきひろです。
ギラギラする残暑厳しい3連休の17、18、19日。敬老の諸行事、祭りなど多くの行事が行われました。こうした地域での人と人との交流はますます大事。65歳以上が人口の23%、約3000万人に及び、1人暮らしも多くなっています。100歳を越える人ともお会いをしました。「人と会う」「楽しいことをやる」――人との楽しい交流が大切だと思います。一方、またも台風接近。深層崩壊と土砂ダム、そして都市部のゲリラ豪雨というかつてとは違う局面。「脆弱国土を誰が守るか」――土木工学科耐震工学専攻の私自身の取り組んできたテーマです。
頑張ります。