日輪の遺産.jpg 「マッカーサーの財宝、200兆円を隠匿せよ」――1945810日、阿南陸軍大臣、杉山元帥、梅津参謀総長ら5人に託された真柴大佐と小泉中尉と運転手役の曹長の3人。弾薬工場に運ぶ役を担った13歳の女生徒35人。8.15を境に、マッカーサー、日本国憲法制定にかかわったあのホイットニー、日系の通訳イガラシ中尉がそれにからむ。緊迫した生死をかけた極限の世界を描いた浅田次郎20年前の迫真の作品。エネルギーが伝わってくる。

 日輪の遺産は財宝ではない。日本という国に蓄積された底力、日本人一人ひとりに備わる意志とエネルギー、世界にない勤勉で、勇敢で、優秀な民族の底力を、マッカーサーに語らせ、34人の女生徒の死で表わし、小泉の有能や真柴の責任と決定心で示している。諸現象の表裏、戦いの勝敗を越えて国家の興亡の核心は、そうした背骨がありやなしや、責任と勇気がありやなしやではないのか。浅田次郎の源流を見る思いだ。

プロフィール

太田あきひろ

太田あきひろ(昭宏)
昭和20年10月6日、愛知県生まれ。京都大学大学院修士課程修了、元国会担当政治記者、京大時代は相撲部主将。

93年に衆議院議員当選以来、衆議院予算委・商工委・建設委・議院運営委の各理事、教育改革国民会議オブザーバー等を歴任。前公明党代表、前党全国議員団会議議長、元国土交通大臣、元水循環政策担当大臣。

現在、党常任顧問。

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