ポプラ社が出版した百年文庫。全部で100冊。この10月に100巻完結。全てに名短編が3つずつ並ぶ。「顔」では、ディケンズ、ボードレール、メリメ。「水」では伊藤整、横光利一、福永武彦。「肌」では丹羽文雄、舟橋聖一、古山高麗雄。「祈」「空」「域」「客」「嘘」・・・・・・。
全部で100冊、300短編だ。
いずれも人間の内面を、ひだを、生命空間を、素朴な人間関係を。またいずれも文章に切れとこくがある。そして、かつての時代が浮かびあがる。良き時代、貧しかったが、時間が人間を中心にゆったりと流れ、気取りもない。生活が、愛が、にじみ出る。
この喧噪の時代、人生と生命、生きるということを考える味わいのある良書ばかりだ。
ポプラ社に感謝したい。