世代間格差.jpg「人口減少社会を問いなおす」と副題にある。「逃げる中高年、ものわかりの良い若者たち」――少子高齢社会、人口減少社会、デフレ、財政難の日本で、社会保障の持続可能性が大きな課題となる。社会のあらゆるところで、制度疲労が顕在化しているという現状を直視せずして、未来はない。

世代間格差は、現在の社会矛盾であり、怒号飛び交うはずのものだが、静かな、ものわかりのよい若者たちによって、争いが回避されているように見える。しかし、じつはより深刻な若者たちの不安、社会のなかでの不安定な立場で押しつぶされようとしている。それでは未来は暗い。

加藤さんは5つの要因を示す。
(1)人口構造の変化
(2)若者に頼った財政システム(社会保障制度の賦課方式など)
(3)日本特有の雇用慣行
(4)近視眼的な政策対応(経済・公共事業など)
(5)経済成長の鈍化
――だ。

そして雇用、年金、医療などの現状を簡潔に分析し、問題点を剔抉する。民主党の政策の欠陥が浮き彫りにされ、年金・医療・介護の現実、そして労働市場・雇用システムの変貌を分析する。社宅とは、公務員宿舎とは何か――なども読みながら考えさせる。

「若者の雇用拡大と世代間格差縮小は経済成長にあり、目前のパイの奪い合いではない」「経済成長を実施し、それと整合的な社会保障制度を構築する。それが世代間格差を縮小し、経済成長にプラスになる好循環をもたらす」――具体的方途も示す。

プロフィール

太田あきひろ

太田あきひろ(昭宏)
昭和20年10月6日、愛知県生まれ。京都大学大学院修士課程修了、元国会担当政治記者、京大時代は相撲部主将。

93年に衆議院議員当選以来、衆議院予算委・商工委・建設委・議院運営委の各理事、教育改革国民会議オブザーバー等を歴任。前公明党代表、前党全国議員団会議議長、元国土交通大臣、元水循環政策担当大臣。

現在、党常任顧問。

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