
渋沢栄一、前島密、岩崎弥太郎、安田善次郎、浅野総一郎、大倉喜八郎、田中久重、早矢仕有的、鮎川義介、小林一三、早川徳次、松下幸之助の12人。いずれも、明治、大正、昭和と、まさに日本を創ってきた人々だ。
浅野セメントの浅野総一郎の"九転び十起き"、シャープの早川徳次の悲惨に現れているように艱難辛苦を乗り越え、けっして挫けることなく、新しい挑戦をし続けた人々が、日本を創った。共通するのは人並みはずれた"忍耐力"、そして私欲でなく国の為、社会の為という理念・目的が厳としていること、そしてその真摯な姿勢に共感して助ける力ある仲間のいることだ。
短編であるがゆえに、人物像が鮮明だ。また、ビジネスにモラルを求め、企業に社会性を求める日本の伝統が浮き彫りにされる。北さんが注ぐ眼も温かい。人物にも、この国難に直面している日本という国にも。