20120508レジーム・チェンジ.jpg「恐慌を突破する逆転の発想」と副題にある。主流派経済学者たちのいう「価格が需要と供給を一致させる市場メカニズムを安定させる」のではない。「資本主義は本質的に不安定なもので、それゆえに金融危機は必ず生じる」と主張したハイマン・ミンスキーの理論、そして米国の世界恐慌脱出におけるマリナー・エクルズの理論を紹介する。

今の日本、このような閉塞感のなかにあるのは、改革が進んでいないからではなく、「デフレ・レジーム」に制約されて、そこから抜け出せないからだ。

デフレが20年も続いているのに、インフレの時に行うべき「デフレ・レジーム」をなぜ続けるのか。栄養不足で体調が悪い時に、なぜ「ダイエットが良い」などといっているのだ。デフレから脱却するための「インフレ・レジーム」へと、ありとあらゆる経済政策の向きを一斉に反転させよ。

インフレ・ターゲティングにも限界がある。あらゆる経済政策を総動員することだ。デフレは、投資や消費を減退させ、需要は不足し、供給は過剰になるが、市場は底を打たせることはない。底なしだ。金融危機(バブルは必ず崩壊するが、金融資本主義は必ず金融危機を招く)、グローバリゼーション、労働市場の流動化、成熟国家の実態経済に内在するデフレ圧力、そして財政均衡論の高まりと消費増税、公共事業悪玉論(非生産性部門の退出)・・・・・・。

全て今の世界はデフレ圧力に満ち満ち、デフレ・レジームから脱出できないでいる。

中野さんは「大それた試み」と思いつつも、国民全体に訴えたいと本書を出版したという。

プロフィール

太田あきひろ

太田あきひろ(昭宏)
昭和20年10月6日、愛知県生まれ。京都大学大学院修士課程修了、元国会担当政治記者、京大時代は相撲部主将。

93年に衆議院議員当選以来、衆議院予算委・商工委・建設委・議院運営委の各理事、教育改革国民会議オブザーバー等を歴任。前公明党代表、前党全国議員団会議議長、元国土交通大臣、元水循環政策担当大臣。

現在、党常任顧問。

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