法学者と経済学者が、それぞれの立場からの論理を交え、その協働を通じて雇用の世界のメカニズムを探究する。しかもさまざまな形態の非正社員がふえ、雇用の流動性が顕著な時代での、雇用に対する論理を模索している。きわめて有意義な本。
提起される問題は「解雇規制と内定取消し」「最低賃金と貧困対策」「労働者とは」「情報の非対称性と労働者保護規制」「解雇と試用期間」「労働条件変更」「労働時間」「男女間の賃金・待遇格差」「職業訓練」「障害者雇用」「高齢者雇用」「服務規律」「労働組合」・・・。
身近な物語が各章の冒頭にあり、きわめて現実的・具体的な問題が提起され、法学と経済学から考え方の論理が詰められる。
動く教科書のようで、これほどわかりやすくまとめるには相当の努力があったと感じられる。