
「この戦争の最も根本的な原因は、日本の国策の基本的理念が間違っておったということ。換言すれば、万邦共栄をいいながら、肚の中では日本だけ栄えるという日本本位のあり方をあらゆる国策の指導理念にしていた」「日本の国の利益のみを目的とする自給自足主義を大東亜共栄圏建設の名前で強行した」に始まるが、私にとっては田勢康弘さんが最後に分析することも全く同感。
「ポツダム宣言の政治性」「米英中(蒋介石8・15演説)」そして「科学と道義の裏づけなき独善的民族観が今日の悲運を招いた」がゆえに新しい人格教育の必要性の指摘など、迫るものがきわめて多い書であった。