
毎日、「いじめ」が報道されます。胸がしめつけられる思いです。文科省は9月11日、全国の小中高校(約3万5千校)などを対象にした「2011年度児童生徒の問題行動調査」を公表。いじめの認知件数は7万231件で依然として高水準にある。また一方で児童生徒の自殺(いじめが原因とは限らない)が、200人で最多となったことを報告しています。しかし、実態はより多く、より深刻だと思います。
「『いじめ』は2学期からひどくなる」――これは最近、ポプラ社から発刊された佳川奈未さんの本。ご本人も息子さんにも何年も続いた地獄のような「いじめ」があったと語っています。
1学期は偵察の時期で、2学期からは特に"いじめ"はひどくなる。「1秒あれば、いじめはできる」「持ち物すべてが、隠され、失くされ、壊され、焼かれる」「着る物もトイレに投げられる」「虫を食べさせられる」「性的辱めを受ける」――笑いながら、面白がってやる気晴らしゲームが、閉鎖された学校空間によって地獄を生み出す。
いじめられている子は、顔、表情、体、態度、服装、食欲の変化など、必ず無言のサインを送っている。それをキャッチしたら、すぐ学校を休ませることだ。学校に相談に行くにもタイミングが重要だし、準備も大切だ――解決に向けて、やるべきこと、やってはいけないことを具体的に佳川さんは示し、子どもを悪夢の毎日から救い出さないといけないと言っています。現在の"いじめ"の実態は昔と違っており、そのことをよく知ることが大切だと思います。
また、「教室の悪魔」や「震える学校」(ポプラ社)を出している山脇由貴子さんは、最近の「いじめ」の実態を抉るとともに、「人間の心には、生まれた瞬間から愛情で満たされなくてはならない器がある」「その愛情の器がカラカラに渇いている」と指摘しています。「いじめ」への教師や家庭の敏感力や、特に学校・教師の対処の仕方・行動力が大切です。
しっかり頑張ります。