
「権力にあるもの帝王(堯・舜・湯王・始皇帝・劉邦)」
「権力を目指す英雄たち(伍子胥・蘇秦・張儀・項羽)」
「権力を支える補弼の臣下たち(張良・陳平・韓信など)」
「権力の周辺にある道化・名君・文学者たち(信陵君・司馬相如など)」
「権力に刃向かう刺客と反乱者たち(予譲・荊軻・陳勝)」が描かれる。
私にとって「史記」といえば、衆院本会議でも引用したことのある国の滅亡は「その本を失う」(人間の基本が崩れるゆえ)という一国の興亡、そして司馬遷の人生そのもの、何ゆえにこれほどの大著をあらわしたかという執念だ。
「司馬遷は生き恥さらした男である」から始まる武田泰淳の「司馬遷―史記の世界」は、最初のページから一気に引き込まれるもので、今も衝撃は鮮明だ。前漢に書かれた全世界史「史記」の政治的人間像は常に新しい。