最終講義で「私は文明はモノが介在し、文化は精神の表われと解釈している。ですから文明は発達しますが、文化は基本的には原形を保つものと考えている。いわゆる伝統と言われるものです。人類は・・・・・・。同じ年の地球上の文明の様子を見なければならないと。比較文明を研究するために、たびたび地球上を調査しましたが・・・・・・」と吉村さんはいっている。
エジプト考古学者・吉村作治さんは、「教授のお仕事」がいかにさまざまな喜怒哀楽の日常にあるかを軽いタッチで描いているが、そこで感じるのは、人に対する温かさとやさしさ、自然態の姿勢だ。それはエジプトという人類の文化や文明、宗教の源にふれ、悠久の時間軸のなかに身を置いているからではなかろうか。