9月6日、千葉県津田沼市の日本大学生産工学部のキャンパスで開催された土木学会全国大会に招かれ、特別講演を行いました。
土木学会は、土木工学に関わる学者、行政官、産業界の専門家が会員の学術組織。約400名の会場は満員で、別室にもテレビ中継されました。
安倍内閣は「東北の復興」「経済の再生」「防災・減災、危機管理」を三本柱としていますが、土木工学はそのいずれにも重要な役割を担います。特にこれからは、国民の命を守る公共事業として、防災・減災、老朽化対策、メンテナンスに重点を置いて、脆弱な国土を「よくぞここまで」と世界から賞賛されるほど安全で快適なものに作り上げていく必要があります。そのため、学問的にも技術的にも新しいメンテナンス・エンジニアリングというところまで、是非とも確立していきたいと考えています。
また、都市の国際競争力など我が国の成長に寄与する公共事業も重要です。そのためには、土木と建築の技術を融合させて、デザインという視点を新たに取り入れていくことも大事です。
さらに、若い人材を育てることも大事です。財政的に制約がある中で、地域で理解される事業を吟味して行うことも大事です。
私は大学、大学院で土木工学、なかでも耐震工学を専攻しました。「脆弱国土をだれが守るか」――土木工学のこれからの役割に期待を込めて、講演を締めくくりました。
学会で活躍されている学術関係者の皆さんに私の考えを直接伝える貴重な機会を持てました。