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大相撲の朝稽古――私が想起したのは、未知の厳しい世界に飛び込んだ若者たちの不安と絶望と、かすかな光を求める背水の陣からくる緊張感、闘争心だ。警察学校は新入社員の研修よりもはるかに厳しい「警察官としての資質に欠ける学生を、早い段階ではじき出すための篩」だという。

不安と緊張の半年に及ぶ合宿生活――。そこには未熟(経験不足)、嫉妬、誤解、競争、挫折、裏切りもあるが、それが修羅場と化す社会の現実であることを突き付ける。その荒砂で揉むがごとき教場で、じっと見つめる白髪の教官・風間は教師というより師匠だ。

人間を鍛え、育てるとはどういうことか。あえて突き放したり、情愛で包んだり・・・・・・。学園ものの小説を装っているが、厳父の愛、とくに師匠がいかに人間を育て、鍛えることにおいて大切かという「師弟」に魅力を感じた。ところで表紙の指紋は長岡さんのものだろうか。

プロフィール

太田あきひろ

太田あきひろ(昭宏)
昭和20年10月6日、愛知県生まれ。京都大学大学院修士課程修了、元国会担当政治記者、京大時代は相撲部主将。

93年に衆議院議員当選以来、衆議院予算委・商工委・建設委・議院運営委の各理事、教育改革国民会議オブザーバー等を歴任。前公明党代表、前党全国議員団会議議長、元国土交通大臣、元水循環政策担当大臣。

現在、党常任顧問。

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