
サンマリノ共和国特命全権大使のマンリオ・カデロ氏は、駐日大使の代表である「駐日外交団長」の重責を務める。1975年に来日して約40年、日本の文化を外国人の目から分析。「なぜ日本人は日本の魅力を知らないのか」「日本がいかに素晴らしい伝統、文化、精神性を持つ、世界から憧憬の眼差しを向けられていることを日本人に自覚してほしい」「日本は戦後の荒廃の中から不死鳥のごとく蘇り、世界のトップに比肩するまでに駆け上がった。しかも、近隣のアジア諸国を様々な方法で支援してきた」「日本人は、礼儀正しく、環境に優しく、平和的な民族だ。きれい好きで周囲に迷惑をかけない、慎ましい国民だ」などを、さまざまな例を示して語る。
冒頭と第4章に16世紀後半、九州のキリシタン大名がローマに派遣した伊東マンショらの「天正遣欧少年使節」が紹介される。時は「大航海時代」。長崎の港を出港したのが天正10年2月20日、まさに本能寺の変のあった年だ。ルネッサンス文化と遭遇し、羅針盤、火薬、印刷機の発明発見に立ち会い、地図や航海図、地球儀、測量機械、時計、楽器、建築、美術を伝え、「コロンブスやマルコ・ポーロよりも凄い大偉業だ」という。しかも、伊東マンショたちのみならず、伊達政宗が主宰した「支倉常長らの慶長遣欧使節団」や豊後のペトロ・カスイ・岐部らの勇敢・強さへの感動を語る。