
「介護が必要になった人が行き場を失い、さまよいたどり着く"家"がある。介護事業者が介護報酬をあてこみ、賃貸住宅に集めて囲い込んでいるのだ」――これが冒頭の一節だ。それを支えるヘルパーの過重労働。そして認知症の「駆け込み寺」となった介護老人保健施設(老健)。さらに精神科病院に入院する認知症の高齢者がふえていること。認知症行方不明問題とこの連載によって身元が判明することとなったことから見えてくる課題。大牟田市の掲げる「安心して徘徊できる町」への画期的挑戦。認知症の人が鉄道事故にあう悲劇と損害賠償。
高齢者の4人に1人が認知症とその予備軍になる日本社会。「社会全体が自らの将来として認知症とその介護を考える時期を迎えている」という。全くその通りだ。