
火山噴火は、台風・水害・土砂災害とも地震とも違う。台風等はタイムラインが通用する。地震は予知できないうえに、瞬時の大災害だ。しかし火山噴火は、予知等はある程度できるが、規模や終結までの期間の判断が難しい。
富士山噴火という大テーマに、高嶋さんが挑んでいる。「美しき山」「異変」「避難」「噴火」「火砕流」「山体崩壊」の6章だてだが、危機は深刻化していく。首長や組織を担っている者が「避難」の決断を下すことがいかに難しいか、火山灰の影響(目をこすらないとか、雨によっての火山泥流)、噴石・火山灰・火砕流のなか、どこへ、いかなる方法で、避難を行うか――まさに陸海空全てに常識を超える国をあげての対応が不可欠となる。