
「身近な日韓友好のすすめ」と副題にある。金さんは、韓国・ソウル生まれの国際法学者で、「テロ防止策の研究――国際法の現状及び将来への提言」(早稲田大学出版部)など、テロに関する国際法の専門家。
本書はその専門とは全く別。嫌韓・反日のどぎつい風潮が飛び交うなか、「四季を想う」「食を楽しむ」「文化・習慣を知る」「アジアの心をつなぐ」「平和への願い」など、日常のなかに、いかに日韓の共通性、交流があるか、長いつながりがあるか――そうしたことを愛情を込めて書く。一部の激しい対立ではなく、落ち着いた日常をかみしめるなかに理解がある。その身近な日韓友好が大事だということを静かに語る。「スイカに塩をかける日本、砂糖をかける韓国」「月を見てウサギの餅つきと感ずるのは日韓共通」など、面白い日常の話題も語られる。