「なぜ左翼は社会を変えられなかったのか」と副題にある。「本書ではこういう日本的な左翼(中道左派)を"戦後リベラル"と呼ぶ。彼らは反戦・平和を至上目的とし、戦争について考えないことが平和を守ることだという錯覚が戦後70年、続いてきた」「彼らは戦後の論壇で主流だったが、何も変えることができなかった。全面講和も安保反対も大学解体も、スローガンで終わった」「団塊世代の特徴は新憲法バイアスである。生まれたのが終戦直後だから、戦争は絶対悪で、平和憲法は人類の理想だという教育を子供のころから受けた」「憲法を超える"空気"は、戦前も今も変わらない。それをかつて右翼は"国体"と呼んだが、戦後は"国民感情"に変わっただけだ」・・・・・・。そして、「今の日本で重要な政治的争点は、老人と若者、あるいは都市と地方といった負担の分配であり、問題は"大きな政府か小さな政府か"である」と結ぶ。
まさに私の戦後は、人生そのもの、全てである。たどった人生、出来事、思想を、そのまま思い起こしながら読んだ。