慶應志木高校ライブ授業とあり、橋本先生の漢文授業が本書だ。こんな授業があれば、誰もが受けたいと思うだろう。私の高校時代の教師はけっこう個性的でほとんどアダ名で呼ばれていた。傾倒した先生の授業は本当につまらなかったが、放課後の人生論、人生観が面白かった。だから正直、大学受験の妨げとなった。
本書は「四書五経と朱子学について簡単に学ぼう」「論語は本当に完全無欠なのか、疑ってみよう」をはじめ、「詩経」「老子の世界観」「正史『三国志』」などが自由に語られ面白い。知識を得るというより、何を言わんとしているかを全的に把握することの重要性、歴史と物語の違い、考える力を養うことの大切さ等が示される。思考が前後左右に揺さぶられ、橋本先生の世界へどんどん引き込まれていく。