国家のエゴ.jpgⅡ部で構成されていて、後半は姜尚中氏が聞き手となっている。

「戦争を正面から考える」がテーマで「日本で戦争をすることを決めるのは誰なのか」「国民を兵士として、あるいは戦争支持者として動員するには、人間の精神にどのような働きかけを行うのか」という問いが提示される。とくに後者――。哲学者・田辺元の太平洋戦争開戦前の著書「歴史的現実」と終戦直後の著書「懺悔道としての哲学」にふれ、「死者との連帯」の視点を掘り下げる。そして「国家の歴史、救済・・・・・・このように大きな問題と死者の問題を結びつけると、ルターとなり、田辺元となり、麻原彰晃のような言説を生み、それを信奉し、行動を起こす人間を生む、あるいは異論をとなえられない世間の空気を生むのです」という。そして「愛する人の死を起点にすること」を示す。

そのうえで、「国家は必要悪だが、"悪"がせり出す存在になるゆえに、国家との距離のとり方が大事だ」「中間団体が強くなることで、社会全体を強靭にできる」「自分の愛する人、親しい人――それは亡くなった人も含めて――を起点に人間関係をつなげ、強固にする」ことの重要さを説く。

また「"シーア派のアラブ人"という新しい民族が誕生しつつある」「沖縄人のアイデンティティー」という変化する視点を提示している。

プロフィール

太田あきひろ

太田あきひろ(昭宏)
昭和20年10月6日、愛知県生まれ。京都大学大学院修士課程修了、元国会担当政治記者、京大時代は相撲部主将。

93年に衆議院議員当選以来、衆議院予算委・商工委・建設委・議院運営委の各理事、教育改革国民会議オブザーバー等を歴任。前公明党代表、前党全国議員団会議議長、元国土交通大臣、元水循環政策担当大臣。

現在、党常任顧問。

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