「日本は1950年のサンフランシスコ条約成立によって独立して以来、国の安全保障をすべてアメリカに依存し、危機的な状況に陥ることを避けることができた。だがいまやアメリカの影響力は急速に後退している。日本が築き上げてきた繁栄を守ろうとするのであれば、政治と経済においてだけでなく、軍事でも、主権に基づく独自性の高い行動をとる必要がある」「戦争というのは孤立した現象ではなくて、政治行為の一部である。これは世界の常識である」という。副題として「集団的自衛権で何が変わる」とある。
世界情勢は大きく変化している。それは米国の国民意識・関心の変化であり、"世界の警察官"米国の指導力や米軍の変化であり、ロシア・中国・ウクライナ・シリア・イスラム国等をめぐる状況変化であり、シェール革命をはじめとするエネルギー事情の変化であり、レーザー攻撃兵器や核兵器小型化、サイバー攻撃等の技術の変化など多岐にわたる。2016年の米国大統領選挙戦の現状には、それらが如実に現われていると指摘する。