東日本大震災から5年、あの日小学5年生だった3人は今、高校生。3人が「16歳の語り部」として語ってくれた、「あの日」「その後」そして「今と未来」――。
「"被災者に寄り添う"とはどういうことか」「心の復興とはどういうことか」「復興とは政治がやるなどというものではなく、被災した人たちが、苦しみをかかえながらも、普通に生きるようになること」など、さまざま考えながら声を聞いた。
「親に心配をかけたくない。気持ちを吐き出すことのない子どもが求めたものとは」「立ち直るということ。私生きていても大丈夫じゃん。・・・・・・強く・・・・・・とは言えないけど、生きていこう」「大人たちは、子どもたちのことをそっと見守ってあげていてください」「"もっと話をしておけばよかった"といっても失ったものは戻ってきません。これまで僕は、大切なことをずっとないがしろにしていたんだな・・・・・・。いちばん大切なのは、1日1日を大切に生きていくこと。そう思って僕は、16歳の今を過ごしています」「記録することも大切だけど、もっと生の実際の人と人との関わりを、本当に大切にしていってほしい。・・・・・・私は、ちゃんと相手のことを、目や耳や胸に焼きつけながら生きていきたい」・・・・・・。
3人に接した東京の高校生・山城未裕さんに「やっぱり、無為に過ごしていたんです。・・・・・・1回しかない人生なのに、スカスカの日常で終わるなんて、絶対に『あり得ない!』と今は思ってます」とまでいわせた「語り部」の力。解説・評論を越えた世界を拓いてくれている。