無差別テロ――国際社会はどう対処すればよいか.jpg9.11同時多発テロ以降、昨年11月のパリ同時多発テロ、今年3月のベルギー連続テロに至るまで、テロの脅威は増している。近年のテロは、無差別化、大規模化し、非人道性が顕著になっている。

国際社会はこの無差別テロにどう立ち向かうべきか。本書は国際的な体制のなかで、どう法的に規制できるかを問いかけている。「テロの歴史的経緯」「被害者の目線から見たテロ(被害者への補償はどうあるべきか)」「テロ対策とプライバシー侵害、テロリスト殺害における違法性の是非」「テロの定義確立の重要性」「テロに対抗する国際的協調体制(条約と課題)」――研究がまだまだ確立されていない分野に踏み込み、課題が浮き彫りにされる。

テロの暴力に対して力で対抗しなければならない認識も確かに広まったが、暴力の連鎖は避けなければならない。金惠京さんは、何を基盤としてテロに対処すべきなのか。「軍事力や監視体制の強化に主軸を置くのか」あるいは「法的正当性を示すための軍事力の行使を行いつつも自らの理念を守るのか」が問われていると指摘する。「テロを抑え込むならば多少の人権侵害も許される」という安易な道に走ることを抑制しつつ、法に基づいた国際的協調体制をどう築くかという難しい道を模索している。

プロフィール

太田あきひろ

太田あきひろ(昭宏)
昭和20年10月6日、愛知県生まれ。京都大学大学院修士課程修了、元国会担当政治記者、京大時代は相撲部主将。

93年に衆議院議員当選以来、衆議院予算委・商工委・建設委・議院運営委の各理事、教育改革国民会議オブザーバー等を歴任。前公明党代表、前党全国議員団会議議長、元国土交通大臣、元水循環政策担当大臣。

現在、党常任顧問。

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