新文明学4 国土学.jpg国土学を「国民国家の現象学」として提起している。「国土学」とは、「国家の存続と繁栄のために国土のあり方を考える学問」であり、「自然の脅威」「外敵の脅威」「自滅の脅威」を克服し、繁栄と存続に資する"あるべき国土"を考えるために、国民国家の「現象」すべてを包括的に捉え、解釈する「国民国家の現象学」だ。仏法でいう「依正不二」「三世間」論を根底にすることだと私は思う。Ⅰ部とⅢ部で藤井聡さんが、その哲学を語っている。

大石久和さんが第Ⅱ部で論じた「日本の国土学」は、具体的で卓越している。他国とは比較にならない脆弱国土・日本。それに日本人はどう働きかけてきたか。そのなかで、日本の社会と日本人の意識構造はどうつくられてきたのか。近年、安全・安心の国家、防災・減災と経済成長のエンジンであるインフラ整備の観点がなぜ脱落し、論点から切り離されてきたのか。財政、経済との関連で、インフラ整備のフロー効果ばかり論じられ、なぜ本来のストック効果を見ないできたのか。先進各国はどうインフラ整備に取り組んできたのか。インフラ整備の日本の現状はどうであり、何が今必要なのか・・・・・・。

社会を下から支える基礎構造であるインフラ概念を理解していない日本の現状に、哲学的かつ具体的に迫る。災害が頻発する脆弱国土日本なのに、インフラ整備が見落とされてきた不思議な日本。防災と経済成長・競争力強化のためのインフラ整備が今ほど大切な時はない。

プロフィール

太田あきひろ

太田あきひろ(昭宏)
昭和20年10月6日、愛知県生まれ。京都大学大学院修士課程修了、元国会担当政治記者、京大時代は相撲部主将。

93年に衆議院議員当選以来、衆議院予算委・商工委・建設委・議院運営委の各理事、教育改革国民会議オブザーバー等を歴任。前公明党代表、前党全国議員団会議議長、元国土交通大臣、元水循環政策担当大臣。

現在、党常任顧問。

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