国連PKO幹部として東ティモール暫定行政府の県知事を務め、シエラレオネでは武装解除を行い、アフガニスタンでは日本政府特別代表として武装解除を行ってきた伊勢崎賢司氏。それだけに全く学者の論評とは違う。現場の赤裸々な実態と武装解除等の実際の呼吸や間合いが伝わってくる。「グローバルテロリズムの震源地」のタリバン、アルカイダ、米国などの姿も生々しい。
グローバルテロリズムには、(1)インサージェンシーとしてのグローバルテロリズム(2)現場は先進国でIS的なものを標榜するホームグロウン・テロ――という2つの様相がある。グローバルテロリズムは、この2つの世界を自由に行き来する非常に厄介なものだと指摘する。「日本はもっとテロの脅威を自覚すべきだ」「日本には54基の原発が海岸線沿いにずらりと並んでいる」――。テロリズムは対岸の火事ではない。どう脅威に立ち向かうか。テロに対峙する憲法9条とは・・・・・・。かなり踏み込んで語っている。