自由のこれから  平野啓一郎著  ベスト新書.jpg人間の自由意志とは・・・・・・。難しくなっている「これからの時代の自由論」を「分人主義」で議論を整理し、解いていく。このあふれる情報社会、IT・IoT・AI・BTの社会――。自動運転、ドローン、ビッグデータ、レコメンド機能、シェアリングエコノミーなど身の辺りではテクノロジーのとてつもない急激な変化が眼前にある。「自由意志」「自由選択」と思いがちだが、管理され、操作されている。モノを買うこと一つをとっても、あふれるメディア等によって思考ということについても・・・・・・。はたして「自由のこれから」はどう考えたらいいのか。

「社会の監視化が進む中で、社会が多様性に理解を深め、寛容性を養うことが大切」「印刷本から電子本、車の自動運転化(道路のあり方も)等、キーワードは"混在"する未来だ」「アーキテクチャが生活を自動化していくが、刻々と自由を奪われていくが、心地のいい奪われ方として利用され、自由は一定方向に制限されていく」「ロボット兵器、虫に偽装したドローンなど不安の増大とともに、民間が監視カメラや防犯カメラを積極的に設置したいという"みんなが監視を望む社会"という構図の逆転が起きている」「専門家の権威が尊重されなくなり、バラバラの個人だからこそ煽られ、大雑把な感覚的意見がうねりとなる」「遺伝子的に人間の優劣が可視化される社会にどう対応するか」「情報過多の時代における縮減の方法」――。

「"分人"という概念は"個人"という主体概念が限界に来ていると深く感じ発想した」「人はみんな複数の人格を生きている。"分人"とは対人関係ごとに生ずるさまざまな自分のことだ。1人の人間は、複数の分人のネットワークでできており、"本当の自分"という中心はない」「私たちは、自身のアイデンティティを、複数の仕事――その人間関係と収入源――家族や友人、趣味といい多数の関係性の集合として捉え直さなければならない」といい、「対外的な関係性に基づく分人の構成をコントロールできる――これは、私たちにとって、自由の大きな意味がある」「複数の分人を生きる、というのが私たちの自由の根幹」「複数化することで、いつでもそれぞれの対人関係から離脱できる状態でいることが重要」という。

プロフィール

太田あきひろ

太田あきひろ(昭宏)
昭和20年10月6日、愛知県生まれ。京都大学大学院修士課程修了、元国会担当政治記者、京大時代は相撲部主将。

93年に衆議院議員当選以来、衆議院予算委・商工委・建設委・議院運営委の各理事、教育改革国民会議オブザーバー等を歴任。前公明党代表、前党全国議員団会議議長、元国土交通大臣、元水循環政策担当大臣。

現在、党常任顧問。

太田あきひろホームページへ

カテゴリ一覧

最新記事一覧

月別アーカイブ

上へ