「高齢社会の成長戦略」が副題。人口減少・高齢社会が急速に進む日本。けっして暗くはない。高齢化に対応するイノベーションを進め、従来の規制を打ち破って展開すれば、需要もGDPも伸びる。高齢者向けイノベーションの経済学・エイジノミックスで日本は蘇ることができると提唱する。
高齢化が進む社会は、イノベーションの宝庫である。「病弱な人のための財・サービスのイノベーション(遠隔医療サービス、介護施設でのロボット活用、創薬・再生医療、高齢者向け住宅)」「健康な人のための財・サービスのイノベーション(自動運転、IoT・AI、旅行やデパートやフィットネスや学習などシニア向けサービス、シェアリングエコノミー)」そして「病弱な人のための制度のイノベーション(遠隔医療サービス、混合介護、見守りと市民後見)」「健康な人のための制度のイノベーション(シェアリングエコノミー、ハローワークやシルバー人材センター、就労モザイク)」の4つに分類、整理し、具体的に現場で今起きていること、挑戦していること、すでに実り更に進んでいることを示す。
「老いの期間を明るく過ごす――創薬とロボティクス」「高齢者の能力を拡張する――人工知能とモノのインターネット」は高橋琢磨氏、「介護は減らせる――脱『要介護』で稼ぐケア市場」「労働力を移動させる――誰もが働き続けられる社会」は高橋氏と岡本憲之氏が現状と方向性、戦略を詳述する。まさに今、踏み出す時だ。