競争社会の歩み方.jpg「自分の『強み』を見つけるには」が副題。ハイエクは「誰がいちばん優れているか、誰がいちばん私たちの要求に応えてくれるか、あらかじめわからない場合、それを見つけ出すための装置としての役割が競争にはある」ととらえた。激しい競争に身を置けば自分の強みを発見できる可能性が高まる。これからの日本を考えると、日本経済の構造問題として、生産性、高齢化、労働市場等の問題に突き当たる。大竹さんは、「難問から目をそむけるな。存在しない単純な解決策を求めてはならない」と言い、「経済制度や政策を工夫すれば、日本経済の効率性は上がり、生産性は上昇する効果はあるはずだ。・・・・・・低成長や高齢化を前提に、日本の経済社会制度をつくり直すという難問にすぐ向き合わないと、難問の解決には間に合わない」と警鐘をならす。

取り上げた実例は広範で身近な問題で、経済の視点でリアルに把えて面白い。「チケット転売問題について音楽関係者側と業者側の言い分を行動経済学で考える」「他店対抗広告の狙い」「くまモンの普及戦略と二部料金制」「落語の"千両みかん"から考える価格と価値」「納税は国民の義務か、課税が国の権利か」「感情とリスク、感情と謝罪」「プロゴルファーの損失回避」「行動経済学による現実的研究」「平等主義で反競争的な教育が、逆に、教育における競争を激化させた皮肉」「三多摩地域のコレラ騒動と外部性(外部性の内部化)」「お金持ちは所得再分配が嫌いか」・・・・・・。

身近な問題から大きな問題まで、経済学的思考と行動経済学で、先入観から解き放ち、怜悧に整理してくれる。

プロフィール

太田あきひろ

太田あきひろ(昭宏)
昭和20年10月6日、愛知県生まれ。京都大学大学院修士課程修了、元国会担当政治記者、京大時代は相撲部主将。

93年に衆議院議員当選以来、衆議院予算委・商工委・建設委・議院運営委の各理事、教育改革国民会議オブザーバー等を歴任。前公明党代表、前党全国議員団会議議長、元国土交通大臣、元水循環政策担当大臣。

現在、党常任顧問。

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