衝撃的、人類の存亡をかけたド迫力サスペンス。東京で次々起きる原因不明の感染症、多数の行方不明者、切断死体、病原体を媒介するヒル、人食いネズミ。厚生労働省の降旗一郎、国立感染症研究所の博士・都築裕らが解明に走るが、事態は人類の敵と化した生物対人間の「絶滅」をかけた戦いへと急展開する。文明の弱点と盲点を突く独特の"安生ワールド"全開の力作。
「生存者ゼロ」「ゼロの迎撃」「ゼロの激震」のゼロシリーズ。そして「Tの衝撃」に続いてこの「レッドリスト」。安生正氏の作品は、理系頭脳と都市構造や大災害・気象など工学的知見によって緻密に骨格が形成されている。今回は大都市の地下構造と進化論だ。文明の発展は脆弱性をはらむが、それを根底的に問い、自然に対する謙虚さをもつことの重要性を突きつける。東京ほど地下に地下街、地下鉄、放水路、共同溝等が高度に張りめぐらされた都市は世界にない。